建設DX企業 N社の事例

<背景・目的>
N社では、プロダクト開発に関わる職務の期待値や責任範囲が十分に明文化されておらず、ジョブごとの役割・責任にばらつきが生じやすい状況がありました。

そのため、
1. 採用活動において求める人材像を明確に伝えにくい
2. 従業員が自身の役割や責務を正しく理解して業務を遂行することが難しい
3. 目標設定・評価・育成において共通の基準がない

といった課題が浮き彫りになりました。

AX Consultingでは、プロダクト開発向けに各ジョブの役割・責務を明確化し、採用・育成・評価・日々の業務遂行に活用できる状態をつくるため、技術部門におけるジョブディスクリプション1定義を支援しました。
1 ジョブディスクリプション ・・・ 特定の職務に関する仕事内容やスキルをまとめた文書や説明のこと。日本では「職務記述書」とも呼ばれる。




<進め方>
まず、N社のプロダクト開発プロセスを前提に、ディスカバリーフェーズとデリバリーフェーズにおいて必要となるチーム構成を整理しました。そのうえで、各フェーズに登場するジョブを洗い出し、技術部門として実際に定義すべきジョブを選定しました。

次に、ジョブディスクリプションの構成要素を整理し、「ジョブ」「タスク」「スキルセット」「マインドセット」の4つの観点でフォーマットを設計しました。各ジョブについて、職務概要、具体的なタスク、必要な知識・スキル、求められる姿勢や行動特性を整理し、部門内で共通理解しやすい形にまとめました。

作成にあたっては、世の中で普及している標準的な職務定義やアジャイル開発に関する一般的なロール定義を参考にしつつ、AX Consultingがこれまで蓄積してきた知見や、プロダクトオーナー、スクラムマスター、サービスデザイナー、UXデザイナー、アジャイルコーチなどの実践経験から、実態に即した各ジョブの役割・責任を反映しました。

その後、生成AIも活用しながら過不足の確認や表現・粒度の調整を行い、完成度を高めました。最終的にはマネジメントとのレビューを複数回実施し、現場の実態や組織上の役割に合わせて細部を微調整し、実際に活用できるジョブディスクリプションとして確定しました。




<工夫・成果>
アウトプットとしてジョブディスクリプションを作成しました。
一般的な職務定義をそのまま当てはめるのではなく、N社のプロダクト開発プロセスやチーム構成に合わせて、現場で使えるジョブディスクリプションにすることを重視しました。技術部門として機能を持たないジョブは対象から外し、実際の組織運営や採用・育成に活用しやすい範囲に絞って整理しました。

また、各ジョブを単なる肩書きとして定義するのではなく、具体的なタスク、必要なスキルセット、求められるマインドセットまで分解することで、社員が自分の役割や期待値を確認しやすい構成にしました。これにより、マネジメントとメンバーの間で、役割・責務・成長課題について共通言語で対話しやすい状態を整えました。

その結果、各ジョブの名称や役割が浸透し、社員が自身や周囲の役割を理解・確認するための基準として活用されるようになりました。また、採用活動における募集要項の記載内容にも活用され、求める人材像を社内外に明確に伝えるための基盤づくりにもつながりました。