オフショア開発会社 H社の事例では、長期(6ヶ月)でUXデザインやサービスデザインを含むHCD(人間中心設計)のトレーニングを提供しました。
オフショア開発会社 H社の事例
<背景・目的>
オフショア開発会社 H社では、金融系の開発案件を中心に事業を展開していましたが、今後の事業成長に向けて、金融以外の産業分野への展開や、SIer経由の受託開発だけでなくプライム案件の獲得を目指していました。一方で、クライアントへの提案力を高めるためには、開発力だけでなく、上流工程における課題把握、ユーザー理解、サービス全体の設計に関する知識・経験を強化する必要がありました。
特に、HCD(人間中心設計)は、ソフトウェア開発とは異なる専門領域であり、H社内では学習や実践の機会が限られていました。そのため、クライアントの課題をユーザー体験や業務プロセスの観点から整理し、より付加価値の高い提案につなげるための人材育成が課題となっていました。
AX Consultingでは、H社がHCDを活用した上流工程の提案力を高め、将来的にクライアント案件でUXデザインやサービスデザインを実践できるよう、UXデザイン3ヶ月、サービスデザイン3ヶ月の計6ヶ月にわたる長期トレーニングを提供しました。基礎知識を体系的に学ぶ座学研修と、主要な手法を実践するワークショップを段階的に実施し、クライアントへの提供価値を高められる人材基盤を整えることを目的としました。
<UXデザイン トレーニング>
UXデザインのトレーニングでは、ユーザー体験を理解し、利用者視点で課題やニーズを捉えるための基礎知識と手法をレクチャーしました。
座学研修では、UXの基本概念、UXリサーチ、ペルソナ、カスタマージャーニーマップなどを扱い、UXデザインのプロセスと成果物の関係を体系的に説明しました。
その後、ワークショップではテーマに沿ってペルソナやカスタマージャーニーマップを作成しました。単に知識を学ぶだけでなく、チームで議論しながらユーザーの行動、感情、課題、解決策を可視化することで、UXデザインの考え方を実践的に体験できる構成としました。
対象者 :H社およびグループ会社の開発・技術推進メンバー
開催期間:2時間/週×10週(3ヶ月)
講義形式:座学研修・ワークショップ・理解度テスト(オンライン)
主な内容:
・UXの基本概念
・UXデザインの関連知識
・UXデザインのプロセス・手法
・UXリサーチ
・インサイトの発見
・ペルソナ
・カスタマージャーニーマップ
・UXコンセプト作成
・ワークショップによる成果物作成
・理解度テスト
<サービスデザイン トレーニング>
サービスデザインのトレーニングでは、UXデザインで学んだユーザー体験の視点を踏まえ、サービス提供側の業務プロセスやステークホルダーの関係性まで含めて、サービス全体を設計・改善するための知識と手法をレクチャーしました。
座学研修では、サービスデザインの概要、リサーチ、アイディエーション、プロトタイピング、実装といったコアアクティビティに加え、ステークホルダー分析やサービスブループリントの作成方法を扱いました。
その後のワークショップでは、テーマに沿ってステークホルダーリスト、ステークホルダーマップ、サービスブループリントを作成し、As-Isの把握からTo-Beの検討、改善提案までを実践しました。
対象者 :H社およびグループ会社の開発・技術推進メンバー
開催期間:2時間/週×10週(3ヶ月)
講義形式:座学研修・ワークショップ・理解度テスト(オンライン)
主な内容:
・サービスデザインの基本概念
・サービスデザインプロセス
・リサーチ
・アイディエーション
・プロトタイピング
・実装
・ステークホルダー分析
・サービスブループリント
・ワークショップによる成果物作成
・理解度テスト
<手法>
トレーニングを通じて学べた手法は以下の通りです。
<工夫・成果>
本トレーニングでは、6ヶ月間を2つのタームに分け、前半でUXデザイン、後半でサービスデザインを扱う構成としました。いきなりサービス全体の設計に入るのではなく、まずユーザー体験を理解し、その後にサービス提供側の業務やステークホルダーの関係性まで視野を広げることで、段階的に理解を深められるようにしました
また、座学研修だけで終わらせず、各タームでワークショップを実施しました。受講者はチームに分かれて、ペルソナ、カスタマージャーニーマップ、ステークホルダーマップ、サービスブループリントなどを実際に作成しました。ワークショップ当日の参加だけでなく、次回までの宿題、成果物へのフィードバック、修正対応を繰り返すことで、知識を実践に近い形で定着させることを重視しました。
長期トレーニングであったため、前半のUXデザイン研修で見えた課題を後半のサービスデザイン研修に反映できた点も大きな特徴です。ワークショップの時間配分、ファシリテーション、チーム編成、宿題の進め方などを改善しながら進めることで、受講者の参加姿勢やチームでの協働にも変化が見られました。短期研修では得にくい、継続的な観察・改善・成長支援ができたことは、本支援の大きな価値でした。
研修の最後には、UXデザイン、サービスデザインそれぞれで理解度テストを実施した結果、一定の水準をクリアし、学習成果を確認しました。また、アンケートにおけるNPSはUXデザイン、サービスデザインいずれも高い数値となり、受講者からも概ね高い評価を得ることができました。
本トレーニングを通じて、H社のメンバーはUXデザインとサービスデザインの基本概念やプロセスを理解し、主要な成果物を作成する経験を得ることができました。これにより、クライアントの課題をユーザー体験と業務プロセスの両面から捉え、上流工程での提案やサービス改善に活かすための基礎が整いました。
後日、受講者の方々から、トレーニングで学んだ考え方や手法を実際の業務に活用できているという声もいただきました。研修で得た知識が単なる学習に留まらず、現場での課題整理や提案活動に応用され始めていることは、トレーニングの効果を示す一つの成果です。





